HoloLensの環境配慮を理解する.
今回はこのドキュメントを読む.
- Setting up an environment (空間の環境構築)
- Lighting
- Items in a space
- Movement in a space
- Proximity of the user to items in the space
- Surface in a space
- WiFi Fingerprint Considerations
- Environment management
Setting up an environment (空間の環境構築)
HoloLensは空間内のユーザーをトラッキングすることで,安定して正確なホログラムを配置することができる. よって,適切なトラッキングがないと,HoloLensは環境やその中にいるユーザーを把握してないため, ホログラムが間違った場所に表示されたり,毎回同じ場所に表示されなかったり, 全く表示されなかったりすることがある. ユーザーをトラッキングするために使用されるデータは,Spatial Map で表現される.
トラッキング性能はユーザーがいる環境に大きく影響される. 安定したトラッキングを実現するために空間の環境を構築することが大事. MR開発者として,より良いトラッキングのために空間の環境構築のために覚えておくべき要因は以下の通り.
- Lighting (ライティング)
- Items in a space (空間にあるもの)
- Movement in a space (動的物体)
- Proximity of the user to items in the space (ユーザの近接)
- Surfaces in a space (空間内の表面)
- Wi-Fi fingerprint considerations (Wi-Fi Fingerprint 懸念点)
Lighting
可視光を使ってユーザーの位置をトラッキングしているため, 環境が明るすぎると,カメラがサチって(光の量が多すぎる状態になり)何も見えなくなる. 環境が暗すぎると,カメラが十分な情報を拾えず何も見えない.塩梅を考える必要がある.
全体的に薄暗いエリアの中に明るい光のポイントがあるエリアは, 明るいスペースに出入りする際にカメラが調整しなければならないため,問題がある.
これは、デバイスが「迷子になる」原因となり,光の変化が場所の変化に等しいと誤認識してしまうことがある. つまり,より良いトラッキングには,エリア内の光のレベルが安定している必要がある.
太陽の光は時間の経過とともにかなり変化する可能性があるため, 屋外のLightingはトラッカーの不安定さを引き起こす可能性がある.
ルクスメーターがあれば、500~1000ルクスあたりがよい.
Lighting の種類
電力周波数の規格が問題になることがある. たとえば,アメリカの規格60Hzは,HoloLensの30fpsのフレームレートと合うが, 多くの国では周波数基準が50Hzであるため,パルス中にHoloLensのフレームが 撮影されるものとそうでないものがある.関東圏と関西圏で違うことがある.
Items in a space
HoloLens は 特徴点と呼ばれるユニークな環境上のランドマークを使用して, 空間の中で自分自身の位置を特定している.
特徴点の乏しい場所ではほとんどトラッキングできない.ため, 空間の壁に機能を追加することは、通常、トラッキングを改善するための良い方法である. 一つのエリアに多くの異なる特徴点を作ろう.
さらに、同じ空間でもユニークなものを使用すること.不均一だとよい. 例えば,同じポスターが壁に何度も貼られていると,HoloLensはどの繰り返しのポスターを 見ているのか分からなくなり,デバイスの混乱を招く.繰り返しのないパターンを作成しよう.
Wormholes
同じように見える 2 つの領域や地域がある場合,トラッカーはそれらが同じだと認識する恐れがある. その結果,デバイスは自分自身を騙してどこか別の場所にいるように錯覚する.このような反復的な領域をワームホールと呼ぶ.
ワームホールを防ぐには、同じ空間に同じエリアが存在すること. 同じように見える領域にラベルを付けたり,ユニークな機能を追加してワームホールを軽減できる.
Movement in a space
環境が常に変化している場合,位置を特定が不安定になる.
人を含む空間にある移動体が多ければ多いほど,トラッキングを失いやすい. HoloLensはこれらの変化に素早く適応しますが、そのエリアがデバイスからはっきりと見える場合に限る.
Proximity of the user to items in the space
人間が目の近くの物体にうまくピントを合わせることができないのと同じように, HoloLensも物体がカメラの近くにあると難しくなる.
カメラは物体から15cm以下の距離を見ることができない.
Surface in a space
反射の強い表面は角度によって見え方が変わりトラッキングに影響を及ぼしやすい. よって,あまり光沢のないオブジェクトはトラッキングしやすい.
WiFi Fingerprint Considerations
WiFi Fingerprint とは
位置推定法の1つ.
近接性方式らしい.
Wi-Fiが有効の場合,実際のWiFiネットワーク/ルーターに接続されていなくても,地図データはWi-FiのFingerprintと相関している. Wi-Fiが無効の場合,空間やホログラムの認識が若干遅くなる場合がある. Wi-Fi信号が大きく変化した場合,デバイスは全く別の空間にいると勘違いしてしまう可能性がある.
Environment management
ユーザーがホログラムを「クリーンアップ」し、 HoloLensが空間を「忘れる」ことを可能にする2つの設定がある. これらの設定は,設定アプリの「ホログラムと環境」にあり, 2つ目の設定は,設定アプリの「プライバシー」の下にも表示される.
ホログラムを消すときに便利.
Delete nearby holograms
配置されている「現在の空間」に固定されているホログラムと保存されている地図データをすべて消去する.
Delete all holograms
HoloLensは空間のデータベース全体のマップデータと固定されたホログラムをすべて消去する.