Mixed Reality アプリのパフォーマンスの重要性を理解する (1) [Mixed Reality ドキュメント]

今回はこの記事を読む.

docs.microsoft.com

アプリケーションが最適なフレームレートで動作しないと,ユーザー体験は大きく低下してしまうので注意すること.
ホログラムが不安定に映ったり,環境のヘッドトラッキングが不正確になったりして,ユーザーの体験が悪くなる.
MR 開発者としては,パフォーマンスはしっかり設計の上で第一に考えるべきタスクである.

HoloLens の場合は,60FPS に維持するようにする必要がある.

Hologram quality terminology (ホログラム品質に関する専門用語)

環境による問題,安定しないレンダリングレートや低レンダリングレート,
あるいは他のアプリの問題が発生した場合は以下の専門用語で問題を特定する手がかりとなる.

Accuracy (精度)

ホログラムが World-Locked されて現実世界に配置された後は,
ユーザの動きや環境の変化に拘わらず,配置された場所に留まっている必要がある.

ホログラムが配置後で変な場所で出た場合は精度の問題.

Jitter (ジッタ)

  • Jitter (ジッタ) とは

「パルスのタイミングの揺らぎ」のこと.安定性を示す性能指標の一つとして「ジッタ特性」というのがある.

www.mcaudi.co.jp

ja.wikipedia.org

環境のトラッキングが低下した場合に発生する.
ジッタが発生したらどうなるか?イメージの概念としてミクダヨ~を紹介.

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(抜粋:

【オーディオ雑学】「ノイズ」と「ジッター」の違いをダヨーさんの体で教え込まれる : あまたのひかり

)

解決策として,センサーチューニングを実行すること.

2020.04.09 現在,センサーチューニングのリンクを押すと変なところに飛ぶので
センサーチューニングのやり方がわからない….

https://docs.microsoft.com/en-us/windows/mixed-reality/sensor-tuning

Judder (ジャダ)

  • Judder (ジャダ) とは

激しい振動.

ja.wikipedia.org

fps が低いと,ホログラムの動きが不均一になったり,二重の層になったりする.
60fps を維持しよう.

Drift (ドリフト)

最初に配置した場所から離れるように表示されてしまう.
Spatial Map が不完全な環境下で,Spatial Anchor から遠く離れてしまった場合に起きやすい.
Spatial Anchor の近くにホログラムを作成すると,ドリフトの可能性が低くなる.

Jumpiness (飛び飛び)

周囲の環境構築中に,ホログラムが飛び飛びになることがある.

Swim (泳ぎ)

ホログラムが泳いでるが如く,揺れて見える場合はキャリブレーションが甘い
再度キャリブレーションが必要.

Color separation (色分離)

HoloLens のディスプレイは Color Sequential Display であり,
RGBG のカラーチャンネルを 60Hz で点滅させている.
(つまり,それぞれの色は 240Hz で表示していることになる)

RGBG はベイヤー配列における並び方のこと.
G を 2 倍に増やすことで,見かけの解像度を上げている.そんな技術があるんだな…

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www.13d.flt1195.com

ユーザが目で動いているホログラムをトラッキングすると,
ホログラムの前縁と後縁がそれぞれの色で分離し,虹のような効果が出てくることがある.
これを色分離という.色分離の程度はホログラムの速度に依存する.
また,静止しているホログラムを見ながら頭を急速に動かしても色分離が生じることがある.